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『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を観てきた。

もしかしたら今年一番泣いた映画になるかもしれない。
よく、「泣ける映画」というのがコピーとしてあるけど、ああいった映画で泣いたことはない。僕が泣いてしまう映画は『エレファント』だったり『ユリイカ』だったり『リリィシュシュのすべて』だったりする。ある程度の長さがあってストーリーの起伏は小さいけど感動させる映画。『エレファント』は感動させるものではないかもしれないど、何も思わずにスルーする事は出来ない。
ちなみに、去年泣いた映画は『ツリーオブライフ』だ。

それでこの作品は129分と一般的な長さだし、ストーリーもあらすじを簡単に説明できる程度にはある。



10歳のフィルは大好きな父親とよく調査探検ゲームをしていた。父親が隠した宝や秘密を、少しずつヒントをもらい10歳にしては頭のいい導き方で見つける遊びだ。

今回父親が提示した探検は、ニューヨーク市にはかつて6つ目の区があった。その痕跡からかつてあったその場所を見つけるというもの。
ある時はセントラルパークに落ちているそれらしき痕跡から、ある時はホームレスと一緒にがらくた置き場から、壊れたメガネや何かしらのかけらを見つけてきて、調査ノートに記していき答えを見つける。
ある日、父親は新聞のかつての6区で書かれたというメモが見つかったという記事を寝る前にフィルに教える(実際にはそんな記事ないし、父親が紙面を読んでいるふりをしながら話しているだけだ。フィルはそんなことはわかっているけど、しかし本当にそんな記事が書かれているのかもしれないから確かめたいが父親は隠す、というじゃれあう)というやりとりを二人は寝る前にした。
それがフィルにとって最後の父親との会話だった。

フィルは父親が9.11でいなくなってしまったことからPTSDとなり、それまでアスペルガー症候群であるかどうかのテストを受けて不確定と診断されだが、落ち着くためにタンバリンを鳴らしたりしないといられない、などの態度を見ると自閉症っぽさもあるだろう。

9.11から一年後フィルはその日以後初めて父親の部屋に入りクローゼットの中を見た。そこで彼は鍵を見つける。父親を失った気持ちを埋めるため、その鍵で開けられる鍵穴を探すために彼は調査探検ゲームを始める。



大分メインのところまであらすじを説明してしまったが、この程度説明できるくらいストーリーははっきりしているし、もともと原作となる小説があるのだから当然ではある。

僕がなぜこの映画で泣いてしまったのかと言えば父親との調査探検ゲームがあるからだ。
「小説家に出会ったら」「グットウィルハンディング」など老人が少年青年に人生を教える映画だ大好き過ぎる僕にとってこの映画が面白く無い訳がなかった。人生を教えてくれるのは父親だけど、後半、隣に住むおばあちゃんがあの日から3日後に開いた部屋に間借り人を住まわせるのだけど、その間借り人の男性の老人と一緒に鍵穴探しの調査探検ゲームを始めるから、たまらない。
彼はその調査探検ゲームで様々な人と出会い、父親との思い出を振り返り、成長していく。
僕はこの映画の一体どこに感動して泣いたのか。どこで最初に涙を流したのか覚えていないけど、僕の頬に熱い涙が流れたとはっきり覚えているのは最後のほうで、ある事実を知り彼はそれまで一生懸命作ってきた調査探検ノートをぐちゃぐちゃのぼろぼろにしてしまう。それから母親に抱かれながら、「普通になるから、努力して頑張るから」と号泣する。
そのシークエンスは彼の考えや態度が普通の10歳と比べると少し変だけど彼自身はどう思っているのかあまりはっきりしなかったところに初めて明らかになるシークエンスで、また母親の優しさに触れる瞬間でもあり、たまらなかった。悶えた。


いろいろ考えたけど、僕がこの映画でこんなに泣いたのはやっぱりドラマとして非常に良くできていてそれに感動したという、一般的な感情で泣いたのだな、と思う。


またこの物語を僕がすごく好きだと感じる理由を考えてみたけど、思ったのはスティーブン・キング的だからかもしれない。少年が父親の存在を思いながら人生の先輩と一定の時間過ごすことで成長する、っていう。9.11以後をスティーブン・キングが書いた印象。



見終わったあとはもっといろいろ思ったのだけど、やっぱり見てすぐまとめないとダメだな。でも間違いなく9.11以後の物語としては僕が今まで見てきた中で最高だと思う。そんなに熱心に9.11以後の作品を見てきたわけではないけど。
でも原作本はすぐにポチっとしました。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

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