ＡＫＢ48の映画は映画としては面白くないけどファンは必ず観にいくべ

ＡＫＢ48の映画を見てきた。 2010年は間違いなくＡＫＢの年で、それに対してのこの映画だ。

そしてこの映画がどんな作品であるかは、映画公式ホームページの作品紹介の監督のコメントが全てを表していると思う。

つまりこの作品はドキュメント映画ではない。ドキュメント作品はフィクションと比べて、顕著に作者の思いが強く出たメッセージ作品になるものだし、そういう見方をされるおのだと思う。これはかなり僕の決めつけだけど。 でもこの作品は作者のメッセージや言いたいこと、意図するものなどは「ただ2010年のＡＫＢの活動を映したもの」にであるため、結局この映画はなんなの？と言ったときに、特に何もないと思えるモノに出来ていると思った。それは決して悪いものではない。 なぜならこの映画を見るのは間違いなくＡＫＢのファンで、昨日今日ファンになった人よりも、多くの2011年以前にＡＫＢのファンになった人が見るわけで、そういう人にすればその作品が作品としてメッセージを持っているか否かというのはこの映画を見る同期としてはそんなに重要ではない。
この映画を「ＡＫＢ48のドキュメンタリー映画」として見に来る客は作り手側はそんなに意識する必要はない。ＡＫＢのたくさんあるコンテンツの一つとして作れいいわけで。
つまりこの映画ははっきり言って映画としては面白くない。 見終わった後に映画としての感想を持つことは僕は出来なかった。 だから、ＡＫＢのファンなら必ず見に行くべきで、必ず公開週に見に行くべきだ。今のＡＫＢの人気の理由や、今時ＡＫＢに触れておかないと、とか思っている方がこの映画を見に行くと必ず失敗するだろう。 しかしプロデュースしたのは岩井俊二だし、監督も寒竹ゆりなので、映像は死ぬほど綺麗だし音楽も素晴らしいものになっているので、その他のＡＫＢのコンテンツと比べたとき、圧倒的に洗練されたきれいなＡＫＢを見ることができる。

だからこれから書く僕のこの映画の感想も映画としての感想ではなく、ＡＫＢの映像を映画館のスクリーンで見てすげー楽しかった、という立ち位置での感想になる。

僕はまゆゆ推しなんだけど、最近さやちゃんがかわいくて、今回もそれは十二分に感じられた。 見始めてすぐ思ったのが。『花とアリス』だった。あの映画は鈴木杏と蒼井優の青春の一瞬をものすごく綺麗に映した映画として素晴らしいものだと思うけど、それをこの映画でも感じた。僕は『花とアリス』のオープニングの駅のホームで白い息をはぁーとするシーンが綺麗すぎで好きなんだけど、この映画では唯一さやちゃんのみが白い息を吐いていて、素晴らしかった。 取られた時期が本当についこの間らしく、『Ｑ10』が終わって間もないあたりらしいから、この冬の白い息なわけで、それだけでもファンは見に行くべきだと思う。
まゆゆ。これは神だった。おしゃれな喫茶店でまゆゆが絵を描き始めるんだけどある一瞬カメラがすごいまゆゆに寄って、この映画の中で一番人の顔がアップになった瞬間があるんだけど、そのときのまゆゆが間違いなく神だった。かわいすぎた。そのあとのテーブルに寝そべる感じも。
あとよくわからなかったのが、さしこが大分のおばあちゃんの家に行くんだけど、終始泣いていたこと。普通にご飯を前に会話しているだけっぽいのにずっと泣いているさしこ。ファンならわかるのかもしれないけど、最近さしこの面白さに気づいた僕は意味不明で、だからこそＡＫファンは見に行くべき映画なんだ。

これ以上書いても何かを伝えることは出来ないし、ひたすらＡＫＢの良さを連ねるだけで、この映画を良さを伝えられそうにないからこれで終わりにするけど、一つ言うとすれば、大島優子のインタビューで強く思ったんだけど、
「彼女たちは本当に10年後どうなっているのか？」
彼女たちというのはＡＫＢ48というグループとしてのアイドルではなくてＡＫＢ48に所属していた子たちのことだ。 これまでのアイドルはここまでこの後のことを思ったり案じたりしたことはなかった。僕にとって一番のアイドルがＳＰＥＥＤなんだけど、リアルタイムで彼女たちを見ていてもこれからどうなって行くんだろう、と思ったことはなくて、早く新曲を出して欲しい、だとか次のテレビ番組はなにに出るの？だったりして、ソロになっても、がんばって活躍して欲しい、という思いだった。 なんでここまで今後の活躍を杞憂され、自身で杞憂し、応援するのだろうか。それは間違いなくプロセスを見せているアイドルだからなんであろう。 ＡＫＢの人気や活躍を考えると結局は秋元康が頭に出てくるわけで、本当にすごいなぁ、というところに落ち着く。

花とアリス 特別版 [DVD]